「だだ……誰がこんな女に手ぇ出すかよ……っ!」
よっぽど怖かったのか、男は四つん這いで私たちの目の前から立ち去った。
「あいつ、口ほどにもなくすっげえ弱えじゃん。これで奏の天下だね。さっく、大丈夫だった?」
ケイがニッコリ笑う。
なんだか今は、ケイの笑顔に癒される。
「う、うん……。大丈夫だよ」
「そっか、なら良かった」
「それにしても、よく動画撮ってたね」
すごいな、あの状況で。
私にはムリだよ。
怖くて、そこまで頭が回らなかった。
「ん?ああ。証拠掴んどきゃ、これ以上の悪さはされないでしょ?全部奏の指示だよ」
へっ?
か、奏の?
「さくらに手ぇ出す奴は、徹底的に抜かりなくやらねーと」



