カーリィと別れて、トボトボと家路を歩く。

青天の霹靂が起こった。

━『マコトくんは、美紅の事が好きなんだよ』━

カーリィの言葉が、頭の中をグルグル駆け巡る。

確かに、なぜ他人に言われるまで自分の気持ちに気が付かなかったのか。
アタシはそこまでバカだったか。

言われて考えてみると、思い当たる節がいくつもある。
まず、今朝の事。
恥ずかしがる美紅が可愛くて、心臓がキュウっとなって、゙キスしたい"って本気で思った。
他の男が美紅に触ろうとしたら嫌だし、他の男と楽しそうに笑ってる美紅なんて見ていたくない。

「あぁ……本当だ。アタシ、美紅が好きなんだ」

カーリィの言う通り、恋愛感情以外の何者でもない。

立ち止まり、溜め息を吐きながら空を仰ぐ。
夏の終わりを告げる夕焼けが、今のアタシの心と同じく、なんだか切ない。

このまま気持ちを隠し通す事が出来るだろうか。
もういっその事、告白してしまおうか。


━━いや、無理だ。


そんな勇気はないし、こんなアタシを好きになってもらえるとも思えない。

「明日からどうすればいい……?」

溜め息と一緒に零れた言葉が、風に流され夕焼けの空へと消えていった。