「どうしよう……」

美紅と別れ、誰もいない家に帰る。

アタシは玄関を閉めるなり、頭を抱えてその場にうずくまった。

朝、アタシはなんであんな事をしたんだろう。

一日中考えていたけど、全然分からなかった。
ただ、美紅が可愛く見えて、そしたらあんな事……。

「っ……だぁぁぁぁっ!!」

思い出して、一人悶絶する。

「だ、駄目だ……。こんな状態で美紅と夜まで一緒なんて、どう考えても無理だ……そ、そうだ!カーリィの家に行こう!!」

カーリィこと可鈴は、美紅と何かがあった時にいつも助けてくれる、もう一人の大切な幼馴染み。

「ついでに、この不可解な行動の謎も解いて貰おう!!」

そうと決まったら母さんに電話だ。
スマホを取り出し、母さんに電話をかける。

「……あ、母さん?アタシちょっとカーリィの所に行って来るから、夕飯いらないわ。美弥おばさんに謝っといて!じゃ!」

アタシは、母さんが何かを言う前に電話を切った。
後で文句を言われても良い。

時計を見ると、5時を少し過ぎた頃。
部活に所属していないカーリィは家にいるハズ。

「仕度!」

アタシは適当に選んだ私服に着替えて、自転車に飛び乗った。