「よしっ!」

私は制服のネクタイをキュッと絞め、気合いを入れる。

「行くかっ」

鞄を手に取り、家を出る。

朝の清々しい空気が、私の頬を撫で、すり抜けた。

「う~。なんか緊張する……」

今まで、と言うか昨日の放課後まで全然平気だったのに、゙好き"と自覚した途端にこんなにも緊張するものなのか。

マコト家の玄関前に立ち、深呼吸をする。
まだ早いから、多分出てくるのは真弓さんだろう。