「おいおい、まずくないか」

「でも、あの人の言葉も悪いよ」

「「封魔様!」」


白鬼と鈴麗が呟いた時、少年と少女が駆け込んできた。


「星夜と楓か……」

「何やってるんですか!?まだ治療中でしょう?」

「安静にしていろと言われたばかりじゃないですか?」


封魔の部下だろう二人がそう言って、彼の左右を固める。


「ほら、戻りますよ!」

「今度は途中で抜け出さないでくださいね!」

「わかってるって。おい、明日からは全員、俺の指揮下に入ることになる。辞めたい奴は受理するから、書類を用意しておけ。そうじゃない者は、第ニ訓練場で待ってる」


そう言って、封魔は去っていく。

彼が去った後、声を上げたのは先程封魔に突っかかっていた男だった。


「くそ、総長と副総長の息子だからって。なぁ、いっその事、全員ですっぽかしてやらないか」


その言葉に、反対する者はいなかった。