「それで、何の用だ?」

「えっ?あ、うん。・・・・・・二回も助けてもらったのに、ちゃんとお礼を言ってなかったと思って」

「そんなことか。別に俺は仕事をしただけなんだけどな」

「それでも、どっちの時も非番だったんでしょ。それって、時間外ってことになるんじゃないね?」

「・・・・・・怜羅か」


溜め息混じりに言う封魔から、何気なくテーブルの上に視線を移す。


(魔神族について?)


その文字が目に入り、気になってまじまじと見ていれば、その視線に封魔も気付いたようだった。


「これって・・・・・・」

「最近、襲撃を繰り返している奴等の資料だ。・・・・・・近々、俺達に討伐指令が下されそうなんでな」

「討伐・・・・・・」

「とはいえ、お前達のような下の連中には関係ないことだ」


言われて、神蘭は資料から視線を外した。