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「・・・・・・」


父に養成所行きを反対されてから数日、神蘭は夜遅く家を抜け出していた。


(どうして、父様は反対するの?私だって、強くなって父様の役にたちたい)


そう思いながら、木刀を素振りしていると、ふと何かが焼けるような焦げ臭い臭いがした。


「この臭いは・・・」


呟いて辺りを見回し、町の入り口の方が紅く染まっているように見え、神蘭は走り出した。


「!!」


入り口の方へ来て、神蘭は足を止める。

そこには仮面やフードで顔を隠した者が数人いた。


「誰だ!?」

「そっちこそ、何者?」


神蘭に気付いた者達の前に、神蘭は立ち塞がり聞き返す。

その間にも、背に冷たい汗が流れるのがわかった。

得体のしれない者達を前に、身体が上手く動かせない。

それどころか、下手に動けば、自分が殺されるような気がしてならなかった。