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「此処が、軍の養成所」


住んでいた町を離れ、軍の養成所へ入ることにした神蘭は、看板のある大きな門の前にいた。

その大きさに少し呆気にとられたが、気を引き締め直す。


(よし、行こう)


そう内心で呟くと、神蘭は大きな扉をゆっくりと開いた。


「あなたが神蘭さんね」

「はい」


事前に用意していた書類を受付に出し、本人確認したところで受付の女性が鍵を出してくれる。


「あなたの部屋は207号室、二人部屋よ。同室者はもう部屋にいると思うわ」

「はい。ありがとうございます」


鍵を受け取りそう返すと、神蘭はこれから自分が生活する寮の部屋へと行くことにした。