1
神帝が治める神界

その世界にある一つの町


「やあああ!」


広場となっている場所で、十五歳前後に見える少女が歳上に見える少年に木刀で斬りかかっていく。


「はっ!」


それに対して、少年も木刀を振り下ろされた木刀を受け止め、振り払う。


「きゃあああ!」


それで少女は吹っ飛ばされ、背から地へ落ちる。


「っ!!」


少女が身を起こした時には、目の前に木刀が突きつけられていた。


「そこまで!神蘭、お前の負けだ」


二人の試合を見ていた男がそこで声を上げる。

それと同時に、神蘭と呼ばれた少女に少年が手を差し出した。


「大丈夫か?神蘭」

「・・・・・・」


その手をとらず、自力で立ち上がった神蘭に、少年は苦笑する。


「ははは、まだまだ月夜には敵わないな」


そんな二人の様子を見ていた男にも言われ、神蘭は面白くなさそうな表情で立ち去った。