ダダダダダダダダダダ・・・
「?…何だ?」
ダダダ、ピタッ。
「?」
ダンッ!!!!!
「龍牙っ!!!!!」
「わぁぁぁぁぁーーーーー!!!???」
新の家を出て全速力で隣の私の家に帰り、私の部屋で本を読んでいた龍牙を近所迷惑になるぐらい大声で呼んだ。
案の定、龍牙は心底驚いた。
そして・・・ギュッ!
「お、おい…さゆみ?どうしたんだよ?」
私は龍牙に飛び込む形で抱きついた。
「龍牙!私、いいこと思いついちゃった!」
「いいこと?」
「うんっ!」
私は満面の笑顔で頷いた。
「っ!…何だよ、いいことって(笑)?」
「それはね、行ってからのお楽しみ♪」
「?」
「へへへ♪お楽しみお楽しみ…龍牙、もう着替えてるんだね。」
「あ、あぁ。」
「じゃあ私も着替えようっと。よいしょ「わぁぁぁぁぁーーー!!!」…っ!?」
私が私服に着替えようと制服に手をかけたとき、龍牙が大声をあげて顔を真っ赤にして顔を手で覆っていた。
「ど、どうしたの?」
「~~っ~…お前なぁ…」
「?」
「…着替えるなら俺が出て行ってから着替えろよな。」
「何で?」
「何でって…さゆみは気にならないのか?」
「?」
「恥ずしくないのかってこと。」
「全然。」
「………はぁ、さゆみ。」
「何?」
「俺は男。」
「知ってるよ?」
「うん。それで、さゆみの彼氏。」
「うん。」
「だからそんな無防備な行動取られるといろいろ問題があるんだよ。」
「…?」
「…はぁ。だから…理性が持たないことになるんだよ。」
「っ!!」
龍牙が衝撃的な告白をすると、私の耳元まで顔を近づけてきて
「…次あんな無防備な事したら、゛あの時゛みたいに歯止めが効かなくなるから覚悟しとけよ(笑)?」ボソッ。
なんか色っぽい声ですごいことを言われた。

※あの時・・・【わたしと吸血鬼×2~滝川龍牙編~ 幸せな時間】をご覧下さい。

「わ、わわわわわわかった!!」
案の定、私の顔は真っ赤になった。
・・・龍牙って、急に俺様っぽくなるのは気のせい?
「じゃあ、先に出て待ってるから。」
「う、うん。」
───バタン。
「………」
でも、たまにはあんな龍牙もいいかも、ね・・・なんて(笑)
「はっ!早く着替えないと───」

─────。

「お、お待たせ!」
「「!!」」
私はお気に入りのワンピースを着て、そして宝物でもあるあのハートのペンダントと、可愛い花のピンを身に付けた。
龍牙には内緒なんだけど実はこの花のピン、新からのプレゼントなんだよね・・・でもこの話はまた今度♪
「それでは、レッツゴー♪」
「「待て待て待て。」」
いざ出発しようとしたその時、龍牙と新の声によって止められた。
「2人共どうしたの?」
「どうしたのじゃねぇよ。行くったってどこに行くんだよ?」
新がそういうと、次に龍牙が
「そうだよ、さゆみ。それに何で新がいるの…?」
少し気まずそうに聞いてきた。
「いたら悪いかよ。」
「別に悪くはないけどさ…」
・・・なんか2匹の狼が目だけで争いそうな感じになってる。
龍牙と新って絶対仲いいはずなのに、何でこう上手く出来ないんだろう?
「まぁまぁ、2人共。とりあえず早く行こっ!」
「「だからどこに!?」」

・・・・・─────。

「…学校、の裏庭?」
「うん。」
「何で裏庭なんだよ?」
「うーん、正確にはこの桜の木なんだけどね。」
「「?」」
二人共、意味がわからないって顔してる。
「実はここでね…「桜木さーん!」…あ、来た!」
あるものを持って古手川さんが走ってきた。
「お、お待たせ…」
古手川さんはゼーハーゼーハーと全速力で走ってきたのがわかるくらい疲れきっていた。
何か古手川さんが現れるときって大体息切らして走ってくる気がする。
古手川さん陸上部入ればいいのに。
「古手川さん借りてきてくれた?」
「…うんっ!バッチリ!」
「ありがとう!」
「さゆみ、一体これから何をするんだ?」
「ふふふ…それはね、思い出作りだよ♪」
「誰の?」
「私たちの!」
「何でまた急に?」
「だって今いい機会かなと思って。」
「いい機会?」
「うん!だって龍牙と新、同じ髪の色で何か兄弟っぽいんだもん♪」
「「………それだけ?」」
「うん!」
まぁそれもあるけど、本当の理由は2人には内緒にしとこ。これ以上仲悪くなってほしくないしね。
「さぁ、初めての3人一緒の写真撮ろうよ!古手川さんよろしくね。」
「分かった!では皆さん並んでください。」
「龍牙、新。」
「お、おう…」
「………」
私は左に龍牙、右に新と2人の間に入り・・・ギュッ。
「「っ!!」」
2人の手を繋いだ。
「では、いきますよー!皆さん笑ってくださいねー?」
これで2人が少しでも仲良くなってくれたらいいなぁ・・・いつまでも3人仲良くいられますように。
龍牙、新・・・
「はい、ちーず!」
カシャッ。
大好きだよっ!!