「なんで。」この言葉だけが頭を埋め尽くす。

バイト終わりの格好で人気のない道をひたすら走る。

ふと、顔をあげると見たこともない工場地帯にいた。

玲奈「ここ、どこだろ…」

上を見上げると、工場の光が幻想的だった。

けれど、星は見えなかった。

玲奈「星は見えないんだね。。」

空を見ていると、真っ黒くてなんだかのみこまれてしまいそうだった。


私って生きてる意味あるの?


そんな疑問が頭の中をぐるぐるとめぐる。

頬に涙が伝うのが分かった。


?「どうしたの?」

男の人の声が聞こえた。

玲奈「誰ですか?」

?「俺、深瀬慧。俺で良ければなんか、話聞こっか?」

え?なんで……私なんかに。

?「話せば楽になるよ。」

そして、工場のフェンスに寄りかかる。

玲奈「えっと……私の友達のカナが自殺したって聞いて。
あの。私、1ヶ月前まで留学してて。
今日、偶然高校の同級生に会ってそこで知ったんです。」

深瀬「そうなんだ。。」

玲奈「カナは私がいじめてた時も一緒に居てくれて、
なのに、私が居ない間にいじめられて……全部、私のせい。」