彼はあたしがこっちに鬼を連れて走ってくるのが見えて、エレベーターの中に引きずり込んだそう。

「あ、ありがとう…。助けてくれて…。」
「マジやし。俺、胃が痛いとにもっと痛くなったやんかやん。寿命も縮んだっちゃないと?長生き出来んかったら咲井さんのせいね。」
「え!なにそれ!それはこっちの台詞やし!いきなり腕掴まれてからっ!もう鬼に捕まったって思ったし!」
「それ命の恩人に言う言葉?」
「お礼はもう言いましたから。」
「……。」

…勝った。しかし、なんなんだ?この会話。
「…最後の1人って、堀井君のことやったったいね。よー生き残っとったね。堀井君ってすぐ捕まりそーやん。」
「失礼な!俺、ゲーム始まってからずっとこの中におったもん。」
「…ズルっ。」
「ズルくないし。頭が良いだけやし♪」
「……。」

この人には勝っても負ける気がする…。