教室に入り、窓側二列目の自分の席に着く。
前の席だけど、いい感じの死角だから自分は気に入ってる。しかも窓際だしね。

「おはよー!」
後ろから声がした。
振り向くと後ろの席の
大塚零(おおつかれい)ちゃんが笑顔でいた。
「おはよ。」
あたしも笑顔で挨拶した。

彼女は二年生になってから知り合ったのだけど、いつも元気で明るい。
しかもダンスがめちゃくちゃ上手い。
この前の体育祭のダンス種目では先輩を差し置いてセンターで踊ったという強者だ。

「ねー今日夕方雨降るっちゃろー?合羽持ってきてないやん?どーしよー。」
彼女はバイク通学者。合羽は必須アイテム。
零ちゃんはそれを忘れたらしい。
それはあたしにはどうにもできません(笑)
ただ笑うしかなかった。