「……とりあえず、手がかり探そう?」

そう、あたし達は手がかりを探しに来た。山田君のことを訊きに来たわけではない。

「…よし。」
小さく気合いを入れて作業に取りかかる。

「でも探すって何処ば探せばいいと?さっき優美華ちゃん達がここにおったってことはもう探しとるっちゃないと?」
愛佳ちゃんが言った。
「あーそーやね。“うちら他のところ探しに行く”って言わしたしね?」
晴美ちゃんも言う。

「探しとらんかもしらんよ?
この教室広いけん、見渡しただけで探したことにしとるかもしれんし、探したとしても、ありそうな引き出しの中を引っかき回しただけかも。」
「じゃあ結局何処探せばいいと?」

「例えば…。」
あたしは黒板に近づき、可動式の黒板を持ち上げて言った。
「黒板の裏とか。」
「あっ!」
そこには1枚の紙切れ。