「え?じゃあ何も無かったと?血痕とかも?」
「うん…。きっと鬼は幽霊っちゃん…。」
それはないない。
てかどーやったらそんな結果にたどり着けるんだ?

「血痕が無いなら山田君まだ生きとるっちゃない?」
「え?」
「幽霊がこの学校で出たとかいう目撃情報無いし、鬼が金属バットで殴り殺すなら血だらけにせんと殺せんやろ?
その場に血痕が一つも無いのはおかしいよ。
つまり、山田君は死んでないし、大きな怪我もしてない。」

あたしは優美華ちゃんに手を差しのべた。

「…ほんと?」
「うん。だから、たぶん鬼は山田君を気絶させてどっかに連れて行ったっちゃないかな?」

優美華ちゃんはあたしの手をとり、そのまま立ち上がる。

「…そーやね。うん。ありがとう。」
「じゃあうちら他のところに手がかり探しに行くね。」

花菜ちゃんが優美華ちゃんを支えながら家庭科室を出ていった。