36/37 山田勝也

「うそ!山田君が…?」
あの山田君が鬼に捕まってしまったらしい。

信じられない…。
だって山田君は太鼓部に入ってて、筋肉ムキムキとは言わないけど、りゅうりゅうのマッチョマン。
なのにその山田君が鬼に捕まったってことは、鬼は超ストロングマンってことよね?

自分の世界から戻ってくると、みんなはまだ自分の世界にいた。
「おーい。」
隣にいた晴美ちゃんの顔の前で手を振った。
「おらんくなった人のことを悔やんでも仕方ないやろ?それにその人の努力を無駄にしたくなかったら今はこの謎解きに専念するべきと思うよ?」
「う、うん。そーやね…。」
と言いつつもまだボーっとしている晴美ちゃん。

「…あのね、これ判ったかもしらん。」
みんながまだ覚めきってない中で言った。
「…え?」
その一言でみんなの目がはっきりした。
「うそ!判ったと?」
「うん。簡単なことだよ。ワトスン君。」
みんなの頭の上にはクエスチョンマークが浮かんでいた。