それは一瞬で。 またやって来る対向車のライトが僕の視界をうばったと思うと、そこには光しかなかった。 そして。傘の下には僕一人だけが立っていて。右の肩は濡れたままなのに、つないでいたはずの左手の中には夜しかいなかった。