今でもはっきりと覚えている。




私の人生を180度変えた、あの人と初めて合った日を。





あの日は、雪だった。




鼠色の空から白い結晶が舞い降り、制服の上に着た紺色のコートに触れ、水になる。



私はまだ知らなかったんだ。




この人との出会いが私を、雪が水滴に変わるかのような一瞬で、変えてしまうなんて。


チャイムが鳴り、彼が教室に入った瞬間、もう歯車が組み替えられて違う方向に回りはじめていたなんて。