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私の目が間違っていなければ町の外れの豪邸が飛び込んできた。
理人さんはなにをきにすることなく豪邸に入っていこうとする、のを全力でとめた。
「え、もしかして、ここで働くんですか?」
豪邸で働けてラッキーというよりもこんなところで働いて行けないという不安が多かった。
「えぇ。そうですよ。」
きらきらな笑顔をふりまきながら言う。
その笑顔とは裏腹に速く行きましょうと急かされている気がしてならない。
私どうなるんだろうと思っていたのは秘密だ。
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中にはいると全く予想を裏切らなかった。
もしかしたら、中は庶民的なのかもきれない
と思った自分を打ちのめしたかった。
頭上には高そうなシャンデリアがつまらなさそうにぶら下がっていたし、ソファーや机も見るからに高そうだった。
ここで喧嘩してこの高そうな家具に傷でもはいったら、なんて考えてやめた。
本当にそんなことが起きてしまったら体の隅々まで水を抜かれて海に沈められるかも、なんて思ったからだ。
