「友






引っ越すだよ 」




『え…?』




「親父さんの会社の事情で

ニューヨーク行くんだってよ」




『え、嘘…』


「花ちゃん。嘘じゃないよ」



『じゃあ…今日って…』



「今日の14時出発だってよ」













『なんで、なんで教えてくれなかったの?




友君だって私に教えてくれたっていいのに…

友君ひどいよ…』






「泣かせるのが嫌だったからだよ!!






話したら琴吹が泣くってわかってたから」


『・・・っ』



南くんが口を開く



「俺、頼まれたんだ」








『なに、を?』









" 「南」


「ん?」



「頼みがある」


「なに?」




「いっぱい…あるんだけど」



「え?」




「花はさ


ドジだから、助けてあげて



俺のことで小学校からいじめ
られてたから


またいじめてきたら 守ってあげて



不良とかに絡まれたときは

立ち向かわないで一緒逃げて。


花はケンカとか嫌いだからさ。



あと花は嘘ついたら鼻をさわる癖が
あるから。


あと炭酸が嫌いで甘いものが好き


クッキーはいっつも甘くなくて

ん?って思うけどおいしいって言わない

と拗ねるから。


まだまだいっぱいあるけど

とりあえずこんなけ。






花のこと、





よろしく…




俺がいなくなったあと、


花を守ってやれるのは南しかいないから



「けど、「お願いします」

「あ、頭あげろって!


わ、わかったから!」


「・・・さんきゅ、かなと」



「・・・っ こういうときに

かなとって言うなよー…ゔぅ」


「何時に…行くんだ?」


「14時」


「そうか。」




「・・・俺、宮崎と健斗
お似合いだと思うよ」


「え?」




「健斗はデリカシーがないだけで

本当に人の心掴んで

みんなを笑顔にして


俺、ちょっとだけ憧れてた。

宮崎はそれをちゃんとわかってるん
じゃないかな


健斗ならいけるよ」



「友…、」