「ねぇ、飲み物は大丈夫?」
「歌いたい曲とかある?入れるよ?」
その人…椎名 美智さんの周りを囲む男達。
それが視界に入るたびにイライラする。
その声が聞こえるたびにイライラする。
「あ、あの…大丈夫ですので、お気遣いなく…」
苦笑いで困ったような椎名さんの声が聞こえる。
それを聞いて少し俯きながら帰っていく男達を申し訳なさそうに見送る椎名さん。
あぁ。もう。なんなんだ。
ちょっとした仕草や、行動や、友達と楽しそうに話す笑顔。
その一つ一つに反応して、もやもやする。
しばらくすると
飲み物がなくなった
と言い出した椎名さんに 今だ! と言わんばかりに群れるさっきのやつら。

