その瞬間からその光景が頭から離れなくなった。


飲み物を買いに行った俺が帰ってきてからぼーっとしているのを見た陵は何かに気づいたのか話を聞き出そうとする。

なんでもない

そういうのに、しつこく聞いてくる陵に仕方なくさっき会ったことを話す。


「それは…恋だな」


ドヤ顔でそんなことを言い出す陵に ありえない と跳ね返すが後に自覚することになる。


陵は俺が話した人が誰なのか見当がついたらしく、その年の冬。