翌週
「今日から転入することになった……」
すごい。お母さんにお願いしたお陰で、萌音と駿を同じクラスに転入してきた。
それも萌音が前の席、駿が隣の席になった。
なんか護衛がついたみたいだ。
「久しぶりだね、琴葉。白鴎にいたんだね。」
いかにもこの学校に私がいることを知らなかったように、萌音が私に話しかけてきた。
「うん。」
私は無口の設定だから、あまり反応を示さない。
そういえばと思い廊下側の席に視線を送る。
今日は珍しく朝から黒蝶がいる。
いなくていいのに。
いつも通り屋上にいればいいのに、きっと私を倉庫に絶対連れていくためにいるんだろう。
チャイムが鳴った。
先生は出ていき、みんなも休憩を取り始めた。
