恋愛不器用女子がイケメンの嫌いなわけ

「……二人でいるときなんて、もうないよ」



「え?」



「私たちは学校でも一切話さないし、これから用事でもない限り話すことはない。だからこんな約束、意味ないんだよ」



「い、いや、話せばいいじゃん、普通に」



「言ったでしょ? 私は始めに、教室では一切話さないでって。それを岡地君は、守るって約束してくれたよね?」



「そ、それは……」



「それ以外でも、私と岡地君とが話すことは皆無。もう、話す機会なんて……」



「じゃ、じゃあさ!」



勢いにまかせて、岡地君が私の手をガシリと掴む。



「今度は、朱音の夢を叶えさせてよ!」