恋愛不器用女子がイケメンの嫌いなわけ

「大地君」



岡地君は店員さんに注文をすると、私に話しかけてきた。



「なにかな?」



「別に、そんなに気にしなくてもいいんだよ?」



「え?」



「確かに、大地君とデートしたいのは確かだし、大地君らしくしてほしいけど、基本さえちゃんとしてくれれば、なんの問題もないし、だから、大地君も楽しんでほしいんだ。無理言って私に付き合ってもらってるんだし、そのぶん以上に、大地君も楽しんでほしいの」



これは、私のこと、でいいんだよね。



つまり、私は大地だけど、大地じゃなくてもいいってこと、なのだろうか。



……少し、気にし過ぎだったのかもしれない。