実は漫画を読んでいるとき、なんとなく自分と大地は似ているような気がした。



だからなんとなくだけど、楽勝なんじゃないかって、心のどこかで思ってた。



だけど……



「おか……ま、町田さん、その、腕を離してくれないかな」



「え、なんで?」



「いや、なんでって……」



岡地君は主人公、町田町子になりきっているようで、街中で強引に私の腕を掴む。



まだ女の格好をしているからいいものの、彼が普通の格好だったら、私はたぶんあまりのしんどさのあまりダウンしていただろう。



この格好でも、いまにも顔から火が噴きでそうなのに。