「おはざっす」



私が幸せに本を読んでいると、後ろの席にかばんを置いて、女子高生とは思えない朝のあいさつをする人が、朝のあいさつをしてきた。



「ざっす」



私も似たようなもんだった。



私は本を読むのをやめて、友達の笹原望(ささはらのぞみ)、通称のんちゃんの席に、体をむけた。



「今日ってさ、時間割変更あったっけ」



「あったら、朱音は他のクラスに借りにいかなきゃいけないのに、そうならなかったことが非常に残念だよ」



「よかったー。あったら、死んでるとこだったわ」



こんなひねくれた会話も、私の日常である。