まあ、男装については特に問題はない。



正直、姉の過剰反応に困っただけだ。



私が一番困ったのは、なんといっても岡地君自身だった。



少女漫画を語るときの岡地君は、本当に岡地君ですかと言いたくなるほど変わる。



教室の岡地君は、いかにもイケメンと言う感じで、気さくそうだし、爽やか笑顔で優しそうだ。



しかし少女漫画になると、とたんにキャラが変わる。



なんていうか、乙女になるのだ。



うーん、乙女っていうか、テンションが振り切れるというか……



まあ、そのテンションはさながら、好きな人のことを語る女子そのものということである。