土曜日、午前十時。



無人駅の前で、私は男の格好をして、岡地君を待っていた。



この数日間、実に壮絶だった。



私は岡地君に少女漫画みたいなデートがしたいと言われた後、勉強にと例の少女漫画を全巻貸し付けられた。



思ったよりベタで、かなりむずがゆくて、何度もやめたくなったが、毎日のごとくどこまで読んだかの催促がくるので、やめることができなかった。



そして男装。



この格好は姉にコーディネートしてもらったのだが……