窓際の自分の席で、私は机から本を取り出し、読書を始める。



題名は夏目漱石の「こころ」



この時間が、私にとっての至福の時間だった。



家じゃやることが多くて、まともに本が読めないし、なにせ家じゃこんな小難しい本、読む気になれない。



じゃあなぜ読んでいるのかというと、それもまた矛盾で、読みたいからであった。



家と学校じゃ、本を読む気分が違うのですよ。