恋愛不器用女子がイケメンの嫌いなわけ

「ちょ、ちょっと待って、岡地君。いまいち状況が把握できないのですが……」



え?え?ちょっと、わけわかんないのですが。



「え、だから。その漫画に出てくる、文学青年の役をやってほしいんだよ」



私の問いに、さわやか笑顔で答える。



いや、やってほしいんだよじゃないんですけど。



でもまあ、とりあえず。



「お断りさせていただきます」



私はそう言って、すぐにその場を立ち去ろうとする。



きっと私はからかわれているんだ。



そう思ってその場から逃げようとすると、岡地君が私の腕を掴んできた。



「ちょっと待ってよ」