恋愛不器用女子がイケメンの嫌いなわけ

「……うん、ありがとう。いろいろ、心配してくれて」



本当に海斗君は、面倒見がいい。



「……朱音が男嫌いになったのは、俺のせいでもあるから」



海斗君が少し哀しそうな顔で言う。



それを聞いて、あの時のことを思い出してしまう。



あの、私にとって地獄みたいな日々の記憶を……



「……違うよ。海斗君のせいじゃない。海斗君はサッカー部だったけど、でもあんなこと言ってなかったって知ってるから」



「違う。そうじゃなくて……近くにいて、止められなかったから。ずっと後悔していた。……すまない」



そう言って、海斗君は頭を下げる。