恋愛不器用女子がイケメンの嫌いなわけ

「それで、約束の話だけど……」



私は、小さい声で話を切り出した。



「あ、そうそう。朱音、なんか夢とかないの?」



「ごめん、今はまだ思いつかなくて」



「いやいや、いいよ。俺はむしろ、まだ朱音と話せる機会があって、万々歳っていうか……」



そう言っているうちに、岡地君の声が小さくなる。



「ねえ、朱音。俺、やっぱり苦手?」



「え?」



「教室で話してても、やっぱり土曜日みたいに話してくれないし、やっぱり男子が苦手なんだなって。俺もやっぱり、話さない方がいい?」



そう言う岡地君の表情は、少し寂しそうだった。