恋愛不器用女子がイケメンの嫌いなわけ

「朱音―、お待たせ!」



練習が終わってしばらくすると、岡地君は制服を着て、手を振ってこちらに向かってきた。



焦ってきたのか、汗を少し息が荒い。



「いや、そんなに急がなくてもよかったのに」



「いやー。一応待ってもらってるわけだし、急がなくちゃと思って」



岡地君はそう言って、いつもと変わらぬ笑顔で歩き出す。



「それじゃ、帰ろうか」



私は小さく頷いて、岡地君について行った。