恋愛不器用女子がイケメンの嫌いなわけ

私がしつこい売り込みで迷惑していると、あちらからこちらへ走ってくる人影が見えた。



「こらー! 朱音に何やって……って、謙太!? お前、何やって……」



「おやおや、これは岡地殿。実は大町さんのお悩みを聞いていたところでして」



「ええ! 朱音、やっぱり悩みが……」



「だからないってば!」



もう、めんどくさい!



「そんなことより、二人って知り合いだったの?」



私は話をそらすために話題を変える。



「うん。俺と謙太は去年同じクラスだったんだ」



そう言って肩を組む。



「……え、それだけ?」



「? それだけって?」



クラスメイトだったってだけで、そんなに仲良くできるなんて、やっぱりすごいわ、岡地君……。