時は金なり

「渚、もっと自信を持って。渚の努力は半端じゃないよ。みんなそれは認めてるよ。それにもっとみんなを頼ったらいいじゃん!全部自分で抱え込まなくてもさ。『そんなことは責任放棄だ』とか考えてるんだろうけど、誰もそんなこと思わないよ?逆に全部自分で抱え込んでしまうほうが、みんな不安になるよ。何で頼ってくれないんだろう?そんなに頼りがいがないのかな?って。きっと渚はもっとがんばらなきゃみんなが着いてきてくれないって思ってるんだろうけど、焦らないでいいよ。自信を持って!」

既に渚は泣いていた。

言葉を発したくても涙がこぼれてきて、何も言うことはできなかった。

ただ心の中には今のりんが言ってくれた言葉で何か暖かいものが芽生えてきていた。

それこそがまさに自信なのかもしれない。

『自信』という、暖かいものが渚の身体を駆け巡っていった。

『焦らなくてもいい、そして自信を持って』

この言葉を何度も頭の中で繰り返すたびに、涙はあふれてくるのだった。

りんの言葉に頷くだけが精一杯で、あとは渚は泣きじゃくった。

喜びの涙を流す渚の周りには、温かく見守る隼人とりんの姿があった。