時は金なり

次に渚が目を覚ましたのはちょうど3時間目が始まるころだった。

目の覚めた渚はゆっくりベットから起き上がって、夢の世界から現実の世界に身体を戻すためにしばらくじっとしていた。

やがてゆっくりベットから出てそっと覗くと、机に向かった隼人が何らかの気配を感じたのか、後ろを振り返り渚を見つけた。

「お、起きたか。気分はどうだ?少しはましになったか?」

隼人の優しい口調は渚を安心させ、渚はいつもの自分に戻ることが出来た。

「ご心配おかけしてすみません。もう大丈夫です。少し寝て、気分が大分良くなりました。まだ少しふらふらするけど…。とりあえず教室に戻りますね」

「おいおい、まだふらふらするならもう少しゆっくりしたほうがいいんじゃないか?別に授業は自分で追いつけばいいだけだし、お前は成績に問題もないんだから」

隼人は心配そうに渚を止めたが、渚は軽く笑って答えた。

「だって、クラス委員の自分が授業に出ててなかったら他の子に示しがつかないでしょ?それに授業はやっぱりちゃんと受けたいし」

渚はそう言って出て行こうとしたが、隼人は素早く渚の腕をつかんで渚を制止した。

渚はびっくりして振り返った。