時は金なり

最後の隼人の言葉を聞いて渚はピンと来た。

そして上目使いで隼人の顔を見つめ、そして尋ねた。

「…その子ってもしかして…先生のこと?」

渚は少し躊躇しながら答えを待った。

隼人はそんな渚の頭を軽くなでながら頷いた。

一瞬言葉が出てこなかった渚だが、目にはいっぱい涙をためていた。

その涙を隼人に見せまいとして隼人の胸に抱きついた。

隼人はいったい何が起きたのかと思って渚の肩に手を置いた。

しかし手を置いた瞬間、渚が泣いていることを理解した。

そしてその涙が隼人のつらい過去に対するものであることも。

隼人は自分の感情に素直に涙を流す渚に感動を覚えた。

片手を渚の肩に置きながらもう片方の手を渚の頭にやってぎゅっと抱きしめた。

「ありがとう、渚。俺はもう大丈夫なんだから。お前は自分のことだけを考えていればいいよ。今問題なのは俺ではなくてお前なんだから」

そう言っても渚はその後も10分間ぐらい泣き続けた。

それから少しずつ落ちついて泣き止んだ。

そして恐る恐る顔を上げて隼人に聞いた。