時は金なり

「ったく、そんな不安があったなら言えば良かったんじゃないのか、渚?自分だけで溜め込むなって何回も言ってたはずだろ?」

隼人はそう言って、布団の中にもぐりこんでる渚をゆっくり引き出した。

渚はまだ泣いていたが、少し落ち着いた表情で隼人を見つめた。

「お前が言ってた『希望』だけどな、そんなものいらないよ。絶対に治るって確証があるのに、そんなことに希望を持ってどうするんだ?」

隼人は渚をなだめるように優しい、ゆっくりとした口調で問いかけた。

「…治るってどうして言い切れるの?」

渚は涙を手の甲でぬぐいながら聞いた。

「前例があるからさ。お前とまったく同じような経験をしてちゃんと立ち直ったやつがいるからさ」

隼人は何かを思い出すように天井を見上げた。

渚は隼人の行動に何か疑問を持ちつつ、それでも隼人の話に興味がわいたようで、泣き止み、さっきと同じようにベッドの上に座りなおした。

「先生、話して?私、すごく興味ある」

渚は興味津々の瞳で隼人を見つめた。

隼人も座りなおして話す体勢になった。