時は金なり

完全とまでは行かなくても、多少のストレスもちゃんと発散できるような状態まで持っていかなくはならない。

完治していないのに見かけだけで判断して退院させたりしたら、あとでよりひどい状態になって帰ってくることも十分に考えられるのである。

隼人の叱りを受けた渚は思い切り落胆していた。

自分でもそんなに簡単に退院できるとは思ってなかったのだが、やはりはっきりその事実を知らされてしまうと、落ち込むのである。

渚は静かに話し出した。

「…私の気持ち、先生には届かないんだね…。心の傷は治りが遅いんでしょ?そんな中でやっと出てきた希望だったのに、そんなに簡単に壊さないでよ…!」

渚はそう言い終えると、布団をかぶって泣き出した。

一所懸命声を殺そうとして泣いているのに、気持ちはそれとは裏腹に思い切りわめいていた。

その証拠に布団の外にも声が思い切り漏れだしていた。

隼人はそんな渚を見守りながら一つの自らの体験を渚に話すことを決心した。