時は金なり

「な、なんだって?誰がそんなこと言ったんだ?」

隼人はそう言いながら渚が座っているベッドサイドまで足を進め、いつもの場所に座った。

渚も隼人に落ち着いて聞いてほしくて、隼人がいすに座るまで何も言わなかった。

しかし座るとすぐに笑顔で話し出した。

「誰が言ったわけでもないよ、先生。自分で思ったの!だって、今日の朝、起きたときも昨日のパニックが起こったんだけど、ちゃんと自分で抑えられたんだよ!それってもう心が回復したからでしょ!?そのパニックに耐えられるようになったからでしょ!?」

隼人は嬉々として話す渚をしばらく眺めていたが、渚が話し終わるとすぐ答えを返した。

「…あー、びっくりした。誰が退院しても言いなんてばかげたことをいたのかと思ったよ。まあ言ったのがお前なら答えは簡単だな」

渚は隼人の何か含みのありそうな言い方に期待をしていたが、次に隼人の口から出てきた言葉は渚の予想に反するものだった。

渚の想像では隼人は笑って渚を抱きしめ、「退院おめでとう」と言葉をかけてくれるはずだったのだが、現実はそんなに甘くなかった。