時は金なり

「ねえ、先生?私、先生の前でいつも泣いてるよね…。こんな泣き虫で弱い私、嫌いだよね…。ごめんね、先生…」

そう言いながら渚はまた泣き始めた。

しかしそれでもまだ強がっていたい渚は意地でも隼人に涙を見せたくないらしく、すぐに壁側を向き、声も殺してしゃくりあげ始めた。

ちょうどそのとき、先程の看護婦が点滴を持って病室に入ってきた。

なんとかパニックが治まった様子ではあるが、まだ泣いている渚を見て、看護婦は隼人のほうに困惑の表情を見せた。

隼人は黙って、点滴をそこに置いていくように指で示し、戻るように促した。

看護婦が出て行って、ドアが閉まる音がすると、今度は隼人が渚に話しかけた。

「さて、いろいろ話すことがありそうだな、渚?まずはこっちをむかないと話が出来ないよな?」

隼人は出来るだけ渚に自分で振り向いてほしくて、そういう言い方をしたのだが、頑固な渚は振り向こうとしない。

挙句の果てに返ってきた答えは

「…別に私が振り向かなくても話は出来るからいいでしょ。そのまま話してよ」

というあまりにもそっけないものだった。

その答えを聞いて隼人はため息を漏らしながら、しょうがなく話し出した。