「…ったく、本当に無理の好きなやつだな、お前は!?…とは言ってもお前のそのめちゃくちゃな生活に気づかなかった俺にも責任はあるけどな。…まあそれにしてもお前にはいつも言ってたはずだ。『無理はするな。身体は大切に』って。どうしてこんな無茶をするんだ?」

隼人の問いかけに渚はうつむいて黙り込んでいたが、すぐに顔を上げて話し出した。

「だってそれが自分では普通だと思ってたんだからしょうがないでしょ?実際今でも普通だと思ってる。私がただ極端に身体も心も弱いからあんなことをしたんだと思う」

渚の話し方はまるで無理に自分を正当化しているようにも聞こえた。

隼人はかける言葉が見つからなかった。

こんなにまでなって、それでも自分が悪いと思ってる。

明らかに無理をし、周りに合わせてきた人間の言葉である。

「…まあいいや。とにかく今日はこれぐらいで。また明日な」

隼人はそう言い残して病室を出て行った。

渚はしばらくベットに座ったままボーッとしていたが、それからベットに横になって浅い眠りに落ちた。