「うーん、いつもまちまちだけど、大体３～４時間かな。先生が思ってたより普通なんじゃない？」

渚は何気なく言ったのだが、隼人はびっくりして反応が一瞬遅れてしまった。

「な、なんだって！？３～４時間！？ありないだろ、お前。普通の10代の子の平均睡眠時間を知ってるか？8時間だぞ！？全然足りてないじゃないか！そりゃ身体にたまった疲れも取れずに蓄積されるはずだ！しかもその様子じゃそれがだめだったと反省してる様子でもないな」

隼人は渚が持っている生活に関する考え方を一気に打ち砕いた。

そうでもしないと渚が退院した後に同じことを繰り返す可能性があるからだ。

もっとも自分でその生活を普通と思っている状況なので、その考え方を直さないと意味はないのだが。

隼人は話しながら、まだ自分の生活の無理さ加減を気づいていない渚を見てため息を漏らすしかなかった。