時は金なり

隼人はいつになく真剣な口調で語っていたが、渚は渚で真剣に隼人の話に耳を傾けていた。

その目には軽く涙が浮かんでいた。

隼人は言い終わって一息つくと、いつもの優しい笑顔で笑いかけた。

その微笑がどんなに渚の心を癒したか知れない。

そして渚もそれに答えるかのように、力ない微笑を返した。

「…疲れたか?いきなり怒鳴られるなんてびっくりだよな。悪かったな。…とにかく詳しいことはまた今度起きたときだ。ゆっくり眠ればいいよ、渚」

隼人はそう言って渚の手をやさしく両手で握り締めた。渚はすぐに眠りに落ちていった。