その二日後、隼人は渚の病室で渚のベッドの側に座っていた。

自分の身体は大分回復しているのも確かだったし、何よりも早く渚が目を覚ますところを見たかった。

今日が信吾が言った期限だった。

隼人は目を覚ましてほしいという気持ちでいっぱいだった。

看護婦がバイタルを測りに病室に行くと隼人がじっと渚の手を握りながら座っていた。

しかもそのことだけに気を取られてるようで看護婦の存在には気づいていなかった。

「成美先生」

看護婦は近づいていって声をかけた。

隼人は一瞬ビクッとしたものの、すぐに看護婦がいることが分かって振り向いた。

しかしその手は渚から離れなかった。

「おはよう。バイタルかい?安定してるよ」

隼人は疲れた笑みをこぼして言った。

看護婦も笑顔を返して、血圧を測り、カルテに書き込んだ。

そして書き終えると、ペンをしまいながら隼人に話しかけた。