「全く、医者のくせに自分の健康管理も出来ないのか?医者の不養生とは全くよく言ったもんだよ。何考えてるんだ?お前が病気にでもなったら学校の子供たちにも多大な迷惑がかかることになる。子供じゃないんだから、それぐらいのことは分かりそうなものなのになあ。2年前の夏、お前が渚君に言ったことの全く同じ繰り返しだぞ、これは!?」

隼人は「渚」という名前が出ると、何か忘れてたことを思い出したかのように、跳ね起きた。

が、さっきと同じように立ちくらみを起こし、信吾に押さえつけられるような形でベットに戻されてしまった。

しかし隼人の目は明らかに渚のことを心配している目で、早く何が起こったのかを聞きたがっていた。

「親父、あいつは?まだ目覚めてないのか?」

「まだだよ。あの傷では意識が戻るかも定かじゃないな。かなりの出血だったのも確かだ。今はまだ意識が戻らなくても大した問題はないが、2日経っても意識が戻らない場合は脳のほうにも何らかの影響が出ている、と考えるべきかもしれないな」

信吾は重苦しく、やや顔を下に向けながら話した。