「先生!降ろしてください!他の生徒が今この一瞬に来たらどうするんですか?私たちのこと、公にはしないんでしょ!?」

「お、お前でもそんな心配するんだな。でも、心配無用!こんな時間に教室抜けてまで保健室に来るのはお前ぐらいさ」

そう言って隼人はベットに向かって歩き出した。

渚は隼人の腕の中で抵抗するのもしんどく、また隼人に何かを言ってもむだだと悟り、おとなしくしていた。

が、ベッドに着くころにはすでに眠ってしまっていた。

隼人も渚をベッドにおろすまで気づかなかったのだが、別に起こすこともなく渚に布団をかけてやりながら一言つぶやいた。

「よっぽど疲れてたんだな。よく5時間目まで持ったもんだ。ゆっくり休めよ、渚」

そういうと隼人は軽く渚の頭を撫で、その場を離れた。

そして5分後には用事があり、保健室を後にしたのである。

そのドアの音を聞いて渚は目を覚ました。