「…昨日、あまり休んでないだろ。俺の忠告も聞かずに」

「えっ！？」

渚はびっくりして驚きの顔に変わった。

驚く渚をよそに隼人は話を続けた。

「自分で気づかないほど疲れてるのか、それともただ朝に気づかなかっただけか知らないが、目の下のクマは隠せないぞ」

そう言って隼人は渚の目の周りのクマを親指でさすった。

渚は一瞬ビクッとして、すぐに隼人から離れてクマを隠した。

しかし隼人は怒った風でもなくくすっと笑って渚の頭に手を置いた。

「全くしょうがないやつだな。一体何時に寝たんだ？俺の予想では家に帰った後しばらく俺に中断させられた仕事の続きでもしてたんだろ？」

「…何で分かっちゃうの？」

「そりゃな。２年もお前に付き合ってたら行動パターンぐらい何となく読めるさ。お前の責任感の強さだってよく知ってる。だからあのまま諦めるとは思えなかったんだ。もし今日もしんどくなったら無理せずに来いよ？」

隼人はそう言いながら微笑を浮かべ、渚に背中を向けて保健室に入っていった。

残された渚もすぐに教室に向かった。