時は金なり

隼人は保健室に着くと、渚をベットに寝かせてすぐに診察を始めた。

脈を取り、一応聴診器でも診察。

「…よし、別に大して異常はないみたいだな。脈も正常だったし、内臓にも変化はなかったし。それにしても無茶ばかりするやつだな、こいつは…」

隼人はそう言いながら渚の頭を軽く撫でた。

その隼人の手に反応し、渚はうっすらと目を開いた。

そして一瞬何が起こったのかわからないような顔をしていたが、隼人の顔を横に見つけるとビクッとして跳ね起きた。

…が、急に動いたために目眩を起こし、急にその動きを止めた。

隼人はそんな渚を見てため息をついて、優しく渚の身体を支え、ゆっくりと語りかけた。

「落ち着けよ、渚。俺の顔を見てそんなに驚かなくてもいいだろう?とりあえずもう一回横になったらどうだ?まだ少しふらついてるんだろ?」

隼人はそう言って渚の体を寝かす方向に促した。渚も一応は従いながら、なんか府に落ちないような顔で隼人の顔を眺めた。

そしてゆっくりと口を開いた。